Airbnbは、シェアリングエコノミーという概念を採用する代表的なテクノロジー系ベンチャー企業です。シェアリングエコノミーは、「もう少し収入があったらいいな」、「時間のある時だけ、フレキシブルに働きたい」と感じる人が手軽に副収入を得る手段にもなります。
サービスがスタートした頃のAirbnbでは、本当にお金がない若い旅行者が、マットレスとパン1切れの簡素な朝食の提供を受けるといった利用が中心でした。サービスが成長した現在では、様々なスペースが登場しており、1軒家やアパートからお城、テント、果ては島まるごと(!)という物件まであります。 そんなAirbnbの最大の特徴はレビューシステムを採用していること。レビューの内容はリスティングの予約数を左右するほど重要な存在です。
先日、Airbnbは本音のレビューを引きだすためにいくつかのステップを変更しました。この変更の内容をチェックしてみましょう。
以前の仕組みでは、批判的なレビューを書くと相手を怒らせ、自分が不当にネガティブなレビューを書かれるのでは、という心配をホストとゲストの両方が持っていました。 こういった事態を回避するため、Airbnbはゲストとホストのレビューを同時に公開する形に変更しています。また、滞在が終了した後にだけレビューを行うことができます。
ユーザーの9割が旅行後2週間以内にレビューを投稿していることから、Airbnbはレビューの投稿を14日以内とする制限を設けました。これによって、宿泊の記憶が新しいうちにフィードバックを得ることができます。 14日間を経過した後は、ゲストとホストの一方しか投稿していない場合でもレビューはコミュニティーに公開されます。
ゲストは、宿泊先の長所と短所の両方をシェアするよう求められます。このフィードバックは公開されませんが、レビュー公開時にホストにのみ送信されます。
プライベートフィードバックを参照することで、ホストは公開レビューについてもより詳細に検討することが可能になります。
各項目が星の数で評価され、どの項目を改善すれば良いかがわかる仕組みです。評価項目は、総合的な体験/清潔さ/正確さ/バリュー/コミュニケーション/到着時/立地、となっています。
ゲストのニーズに応えることでより好意的なレビューが獲得できます。そうなれば、予約や収入も自然と増えていきますね。
Airbnbがレビューシステムに加えた変更から、「本音のレビューを知りたい」というニーズがホストとゲストの両方にあることが見て取れます。 Airbnbでは「レビューをみて選ぶ」という人がほとんど。レビューが個人の体験をきちんと反映していれば、最終的にはAirbnbを利用する全員にとって満足できる結果になる、ということなんですね。